staff_novavita_interview_ec2
CULTURE

社内報『ノバビタ』が愛され続ける理由を担当者が語る

2008年7月に創刊し、2022年2月時点で165号が発刊されている社内報『ノバビタ』。創刊当時から、歴代の編集者たちがこだわりを持って制作し続けてきた、今もこれからもノバレーゼになくてはならないものです。

社外からも高い評価を受ける『ノバビタ』は、現在2名のスタッフの手によって生み出されています。今回は現編集者の2名に、『ノバビタ』の特徴や独自性、そして編集者自身のこだわりや想いを聞きました。

この記事に登場するスタッフ
K.Mさん(2010年新卒入社)

入社後は、ドレスコーディネーター職に配属となり、多くのお客様を専属で担当。当時、全国で数名しか在籍していなかったプロフェッショナルコーディネーターにも抜擢。2016年に広報室へ異動。2児の母として育児にも奮闘中。
この記事に登場するスタッフ
S.Nさん(2012年新卒入社)

ドレスコーディネーター職に配属後、複数の店舗での活躍が評価され、マネージャーに抜擢。ドレスショップのマネジメント全般を担う。2017年に広報室へ異動。第一子の出産を経て復職し、現在に至る。

多数の受賞歴は『ノバビタ』創刊時の想いから生まれた

—どんなことがきっかけで、『ノバビタ』は誕生したのですか?

K.Mさん:もともと、ノバレーゼには『THE JUNKIES』という、各店舗でデータを印刷して掲示する”壁新聞”がありました。ある日、当時社長だった創業者の浅田から広報担当者に「社内報を作らないか?」と相談があったことを機に、「やるからには日本一、世界一の社内報を作ろう!」と始まったのが、『ノバビタ』の創刊プロジェクトだったそうです。

―実際、社外からも高い評価やコメントをいただいていますよね。

K.Mさん:過去にうれしかったのは、「パワー、熱量が感じられる」というコメントでした。あとは「口数の少ない編集者」というご感想ですね。あくまで『ノバビタ』はスタッフが主役なので、私たち編集者は表に出ないので。「もっと作り手の顔が出ても良いのでは?」というアドバイスをくださった方もいました。(笑)

―全国規模の社内報企画コンクール「社内報アワード」では、2017年にMさんの担当企画で金賞を受賞されていますが、どのような点が評価にあがったのでしょうか。

K.Mさん:すでに、2012年、2013年当時の『ノバビタ』担当だった先輩も表彰されていたのですが、当時ドレスコーディネーターだった私にとっても印象的な出来事でした。その後、自身が2016年に広報室に配属となり、任せていただいたからには成果をあげたいと思い、「自分が作った『ノバビタ』で金賞を獲りたい」と上司にも伝えていました。

笑い話なんですが、2017年の金賞受賞報告を受けたのは、私自身が第一子を出産する前日、病室にいるときだったんです!入院して体に検査の機械を付けられている状態で、上司から「やったよ!」という電話をいただきました。とても励みになり、「これで明日の出産もがんばれる!」と思いました。(笑)

社内報『ノバビタ』の魅力

ノバビタ創刊号の冒頭に掲載された文章

―他社の社内報と比較して、『ノバビタ』の強みやオリジナリティを教えてください。

S.Nさん:『ノバビタ』は、ノバレーゼのビタミンであることですね。創刊号の1ページ目に書いてあることがすべてだと思っています。徹底的に「読み手に元気を与えたい」という想いで私も編集しています。

―たしかに、この言葉に尽きますね。

K.Mさん:私も先輩から業務を引き継いだ時から、このメッセージが自分のなかでブレない根本になっています。

S.Nさん:迷ったり悩んだりしたとき、いつもこのメッセージに立ち返っています。今後、自分が後輩に仕事を引き継ぐ際にも、ここだけは変わらずブレない想いとして伝えていきたいです。

ほかにも『ノバビタ』の絶対的な特徴として、「スタッフのことを掲載する」というポイントがあります。例えば、新店オープンの特集ページでは、店舗のハード面だけを紹介するような記事にはせず、そのプロジェクトに携わるスタッフの想いや言葉を必ず掲載しています。トップダウンの情報だけでなく、身近なスタッフの口で語ってもらうことに意味があると思っています。

K.Mさん:口コミでも、全然知らない人のレビューと、自分の両親や知人からの勧めだと、同じ情報だとしても信頼度や共感度が違ってきます。そういったことと同様に、ただ情報を載せるのではなく「誰に語ってもらうか」はとても大切だと考えています。

―事前アンケートでも回答していただきましたが、「掲載されることが目標とされる社内報」というのも『ノバビタ』ならではだと感じました。

S.Nさん:ありがたいことに、スタッフからもそう思ってもらえていますね。

K.Mさん:私もここまで人がドーンと表紙に載っている社内報は見たことがないです。(笑)でも、このインパクトはほかにはないと思っていて。だからこそ、表紙の人選には「誰もが納得感のある、いま最も輝いているスタッフ」であることが非常に大切です。

―「笑い」のエッセンスが散りばめられていることも特徴的ですよね。

K.Mさん:一般的な社内報は、活字が多くフォーマルなものが大半だと思います。ここまで笑いを追求していて、本気で取り組んでいるのがノバレーゼらしさですね。ただ単におもしろくしたいのではなく、誰かを楽しませたい、いそがしいなかでもクスっと笑えるきっかけを作りたいという想いのもとで、企画やアイデアを考えています。

S.Nさん:他社の広報担当の方に『ノバビタ』を見てもらうと、そのエンターテイメント性の高さに驚かれます。(笑)

編集者として大切にしていること

―おふたりが『ノバビタ』の制作時に心がけていることを教えてください。

K.Mさん:無機質な情報を、人を動かす情報にすることです。読んで「へー」という客観視で終わるのではなく、読んでくれた方が次にアクションを起こすきっかけとなる情報提供を意識しています。誰も気付かないような部分にも気を配り、言葉選びやデザイン、色遣いや文字の大きさなど、たとえそれが修正前と違ったところで誰も文句を言わないような点でもこだわり抜きます。掲載されたスタッフが心からよろこんでくれる紙面を作っていきたい一心ですね。

また、常に新しいもの、これまで無かったものを目指しています。現状維持は衰退のはじまりだと思っていて、『ノバビタ』のあり方も常にアップデートすることを心がけています。

S.Nさん:スタッフの想いを届けること、繋げることを私は大切にしています。取材やインタビューをしていると、「●●さんにはとても感謝しているんです」といった、先輩や仲間との素敵なエピソードを必ず耳にします。そこで知り得た情報を、編集者だけで留めておくことはとてももったいないと思っていて。紙面にエピソードを掲載できなかったスタッフには、『ノバビタ』発行後に個別で連絡しています。

そうすると、「そんな風に思ってくれていたなんて知らなかった、うれしいです!」と言ってくださるんです。編集者だからこそ知ることができた素敵な想いは、たとえ紙面に掲載できなくても相手に伝える。そうすることが、誰かのビタミンになると信じて続けています。

―おふたりのこだわりや想いの強さを感じました。それだけに『ノバビタ』に対する読み手の期待値も高いと思いますが、工夫していることや努力していることはありますか?

K.Mさん:私はもともと書くことも苦手ですし、おもしろいことを考えたり自分がやることも得意ではないです。(笑) でも、みなさんの期待に応えたいという気持ちが強いからこそ、「スタッフのみんなは何がおもしろいと思うんだろう?」ということを、普段から冷静に分析しているのかもしれません。『ノバビタ』の担当者になってから、それまで見る機会の少なかったテレビ番組や雑誌などに頻繁に目を通すようになりました。そうして、自分に足りないものを補っているのかなと思います。

特にゼロからイチのものを生み出す企画系は苦手意識が強かったです。最初の頃は、毎月10本のネタを考えることを自分に課して、発想できる頭のトレーニングからはじめました。すると、だんだん自分のなかでデータも蓄積されていったんですよね。

S.Nさん:配属当初、いくらがんばってもネタが出てこない時期は辛かったです。関西出張の際、新幹線で移動していた約3時間、何も良い案が浮かばず、苦しんだこともありました...。(笑)でも、その取材の後、「『ノバビタ』のあのコーナーが好きなんですよね!」と声をかけてくれたスタッフがいて、楽しみにしてくれているスタッフのために、苦しくても考え続けようと、気合いが入りました!

印象的だった取材や編集エピソード

―記憶に残っている記事や取材時のエピソードがあれば教えてください。

K.Mさん:『ノバビタ』の創刊100号を記念して、『ノバビタドリンク』を作成したことです。当時、アルバイトスタッフを含む全国のノバレーゼスタッフに配布しました。全国のノバレーゼスタッフに配ることができました。このような取り組みを"コスト"だと捉える会社もあるなか、どの先輩方もこのアイデアに快く賛同してくださったのです。改めて、ノバレーゼらしさを感じた出来事でした。

また、創刊100号企画では、歴代の『ノバビタ』編集長の対談を実現したことも印象に残っています。それまでほとんどなかった対談企画だったのですが、この機会に挑戦したいと思い実現させました。すでにノバレーゼを卒業され、別のフィールドでご活躍されている先輩方に改めてお話しを伺い、『ノバビタ』を担当することの重み、受け継いだものを継承する責任感を確められ、背筋が伸びた企画でしたね。

S.Nさん:私は、初めてベスプラ(※)の取材をした時のことがとても印象に残っています。審査員に評価のポイントをヒアリングした際、そこで改めてお客様の特別な一日に携わる仕事の素晴らしさを実感し、あまりに感動しすぎて涙が勝手に溢れてきました。気が付けば、審査員の先輩と2人で泣きながら話していました。(笑)結婚式という場に携われるありがたさを、改めてしっかりと社内に伝えていかなければいけないと思った経験です。

べスプラとは

毎年社内で開催される『ベストプラクティス』の愛称。結婚式のプランニングや衣裳のコーディネート、宴会やパーティの提案における優れた事例を全社で共有し合う。各部門で最優秀賞や優秀賞を選出するための審査も実施される。

―取材時、スタッフも『ノバビタ』制作にとても協力的ですよね。

K.Mさん:本当にそう思います。インタビューすることに対して報酬を設定している企業もあるなかで、「え?取材してもらえるんですか?」と言ってくれるノバレーゼのスタッフにいつも感謝の気持ちでいっぱいです。

S.Nさん:いつも取材する度に、自分たちが逆にスタッフのみなさんから心を揺さぶられるんです。こちらがビタミンを届ける側なのに、協力してくれるスタッフからいつもビタミンをいただいています。

今後の展望について

―最後に、おふたり自身について、今後の目標やビジョンをお聞かせください。

K.Mさん:美しい働き方で、より良いものを創り出せる存在でありたいです。編集の仕事に対して、納期や期限に追われる大変な仕事だというイメージがある方も多いと思います。そんな印象を払拭できるように、チームとして機能し、きちんと時間内で業務を終えつつ、完成度の高いものを生み出せる組織を自ら創っていきたいです。また、1人の編集者としてはもちろん、女性として、母親として成長し続け、自分の子どもに働くことの魅力を伝えていける存在でありたいです。

S.Nさん:この仕事をしていると、もっとたくさんノバレーゼ内にビタミンを届けられることがあると感じます。その手段や方法を、自分から生み出していくためにも、もっと世のなかのさまざまなことを知り、学んでいきたいです。向上し続けたいと思える気持ちを持って働けている幸せを、これからも大事にしたいですね。